11

Mar

無線LANは壁があってもどこまで届くか、企業向けと家庭向け製品で電波強度を測定

屋外で無線LANを有効にすると、接続先候補として複数のSSID(アクセスポイントを識別する文字列)がずらりと表示される。通信事業者や公共機関などが提供する通信サービスのSSIDのほかに、社内や一般家庭に設置されたとみられるアクセスポイントのSSIDも多数見つかる。

こうしたSSIDの中には、共通の文字列(パスフレーズ)を使って認証しているネットワークも珍しくない。第三者がパスフレーズを手に入れれば、ネットワークに侵入されるリスクが高まる。

では、外部にどれくらい強い電波が届いているのか。今回は、壁の反対側に届く電波の強度を測定した。

実験の風景。電波強度を測定できる専用機器を使用した(出所:筆者撮影、以下同)[画像のクリックで拡大表示]

無線LANは壁があってもどこまで届くか、企業向けと家庭向け製品で電波強度を測定

実験では複数の企業が入る商業ビルで、2つのケースを用意して実施した。

ケース1では、約1.5mの壁を隔てたその反対側に届く電波の強度を測定した。壁の内部は鉄筋コンクリートなどで構成されていると考えられるが、正確な状況を確認できなかった。ただ壁面の表面は、表も裏もコンクリートのように見えた。また設置したアクセスポイントは四方を壁で囲まれていたわけではないが、壁を避けるためには数十m以上回り込む必要があった。

ケース2では、ドアや石こう壁、すりガラスなどで囲まれた部屋に設置したアクセスポイントの電波が外部にどれだけ届くかを測定した。

アクセスポイントは天井に設置する企業向け製品と、据え置き型の家庭向け製品の2種類を用意した。電波出力などの設定は初期状態のままにした。また周波数帯は、2.4GHzと5GHzの両方で測定した。

天井に設置する企業向けのアクセスポイント[画像のクリックで拡大表示]

次ページ 1.5mの壁があると電波強度は大幅に下がる