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カピバラ96匹は日本一、「ネズミ算」式に増えたわけ 徳島の動物園

エサを食べるカピバラ。サバンナエリアにはシマウマも暮らしている=2022年3月、徳島市方上町のとくしま動物園北島建設の森、伊藤稔撮影

 カピバラ96匹は日本一、「ネズミ算」式に増えたわけ 徳島の動物園

ぶんとした鼻、つぶらな瞳、ずんぐりした胴体。「癒やし系」として人気のカピバラが、とくしま動物園北島建設の森(徳島市)に、現在96匹が暮らしている。飼育数は、なんと日本一。その理由を知るため、園を訪ねた。【写真】エサを食べるカピバラたち=2022年3月、徳島市方上町のとくしま動物園北島建設の森、伊藤稔撮影 カピバラといえば、温泉につかり、目をつぶって気持ちよさそうにしている姿が浮かぶ。以前の勤務地でも、カピバラの「長風呂対決」や、ヒーター付きの小屋で暖をとる様子を取材したことがある。 のんびりとしたイメージだが、とくしま動物園のカピバラはちょっと違う。結構よく走るのだ。それもかなりの速さで。 あちこちでケンカをしては、逃げるように走る。時速50キロで走る力があるという。この俊敏さは意外だった。 カピバラが暮らす園内のサバンナエリアは、土や砂の地面に木が植えられ、池があり、飼育員手作りの小屋がところどころに置かれている。園によると、面積2627平方メートル。これだけ広いから、カピバラも走れるのだろう。 園にカピバラがやってきたのは2007年。最初はオス1匹、メス2匹の計3匹だった。ネズミの仲間だけに繁殖力が強いようで、市のデータによると、16年8月には35匹、17年1月には40匹、同年6月には50匹と、まさに「ネズミ算」式に増えていったようだ。 カピバラは元々、南米の水辺に生息する動物で、排泄(はいせつ)や交尾も水中で行う。この日も展示エリアの池ではオスがメスをおっかけ、交尾する姿が見られた。飼育エリアの広さに合わせて計画的に繁殖させたり、増えると譲渡したりする施設が多いなか、とくしま動物園は自然の状態にまかせて繁殖させているため、どんどん増える。

朝日新聞社