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ミョウバン水は消臭や殺菌に効果的!目的に合わせた使い方を徹底解説

料理の添加物で知られているミョウバン。実は、掃除や洗濯など多様な使い方ができるのをご存知でしょうか?消臭や殺菌効果も期待され、頭皮や脇など気になる部分にも使えるのだとか!

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■ミョウバンとは?

アク抜きや煮崩れ防止など料理で使われるミョウバン。普段から料理をする方なら目にしたことも多いのではないでしょうか。ミョウバンとは、一般的に「硫酸アルミニウムカリウム」と呼ばれる物質です。色は無色または白色で、形は結晶状や粉末状のものがあります。ちなみに味はというと、ちょっと渋めで、臭いはありません。

・奈良時代には医療用に使われていた

現在では料理で目にすることが多いミョウバンですが、奈良時代には「白礬(はくばん)」と呼ばれて、止血や下痢止めなど医療用として使われていたそうです。現在はスーパーで簡単に、そして安価で手に入りますが、当時は貴重な資源であり高値で取引されていたという説も。ミョウバンの価値は今とはだいぶ違うようです。

・焼ミョウバンとは

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焼ミョウバンや生ミョウバンという言葉を聞いたことはありますか?簡単に説明すると、生ミョウバンとは結晶状のもの、焼ミョウバンは粉状のものです。生ミョウバンを加熱して水分をとばし、乾燥させると焼ミョウバンになるのです。粉状だと使いやすいという理由から、売られているのは焼ミョウバンが多いんですよ。ちなみに、焼ミョウバンは吸湿性があるため、空気中にある水分を吸収し、徐々に生ミョウバンへ戻ってしまいます。知らないとびっくりしてしまいますよね。焼きミョウバンを保管するときには、必ず湿気を避けた場所に保管しなくてはいけないと覚えておいてください。

・茄子の漬物の変色を防ぐ

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茄子は漬物にすると変色してしまうことがあります。変色が起きる理由としては、茄子に含まれるアントシアニンという色素が不安定であるためです。ですが、ミョウバンを加えることで色素が安定しやすくなり、茄子の漬物をきれいな色へと仕上げることができます。これはミョウバンに含まれるアルミニウムが、不安定だったアントシアニンと結合するからです。茄子がきれいな紫色を保ってくれると、より一層おいしそうに見えますよね。これから茄子の漬物にチャレンジしたいという方はぜひ使ってみてください。

・ミョウバン水は酸性

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ミョウバンは水に溶けると、酸性になる性質があります。身近なもので酸性といえば、お酢やレモンがイメージしやすいかもしれませんね。ミョウバン水はこの酸性の性質によりさまざまな効果が期待できます。のちほど詳しくご紹介しますね。

ミョウバン水は消臭や殺菌に効果的!目的に合わせた使い方を徹底解説

・ミョウバンはどこで買える?

ミョウバンは食品の添加物として使われることが多いため、スーパーなど食料品を扱っているところならだいたい売っています。まず漬物コーナーを探してみましょう。もしなかったら、 洗剤売り場に並んでいる可能性もあります。ホームセンターやドラッグストアでは特にその可能性が高いかもしれません。探しても見つからない場合は、店員さんに声をかけて聞いてみましょう。ミョウバンは比較的手に入りやすい商品なのできっとすぐ見つかるはずです。

■ミョウバン水の効果

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ミョウバンを使いやすくするにはミョウバン水にするのが1番です。粉よりずっと手軽に使えます。そしてミョウバン水には消臭・殺菌・制汗の3つの効果が期待できます。どれも汗っかきには願ってもみない効果ですよね!では、それぞれの効果について詳しくみていきましょう。

・消臭効果

気になる汗の臭い。周りに不快な思いをさせていないか心配になりますよね。ミョウバン水には汗の臭い、特にアンモニアの消臭効果が期待されているので、汗をかいたときに活躍してくれるでしょう。ちなみに汗といっても、「アポクリン腺」と「エクリン腺」の2種類あるのをご存知でしょうか?実は、嫌な臭いの原因となるのはアポクリン腺から出る汗なのです。そしてミョウバン水の効果が期待できるのはアポクリン腺から出る汗!だから臭いを抑える効果が期待されているのです。

・殺菌効果

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肌トラブルや臭いの原因にもなる雑菌。私たちの周りはあらゆる菌であふれています。しかし、ミョウバン水には雑菌を殺菌し、繁殖を抑える効果が期待できます。なぜ殺菌効果が期待できるのかというと、臭いの原因となる雑菌は弱アルカリ性であり、酸性のミョウバンに弱いからです。

・制汗効果

ミョウバン水には血管を収縮させる収れん作用が望まれています。簡単にいうと肌を引き締める期待効果です。結果として、汗腺を閉じて「制汗」効果が期待できるのです。消臭して殺菌して、さらに制汗してくれれば1日をサラッと爽快な気分で過ごすことができそうです!ここまで聞いてミョウバン水ってデオドラント系商品と同じ効果がある…と思った方も多いのではないでしょうか?そうなんです、実際デオドラント商品にはミョウバンが使われているケースもあるのです。もしかしたら、ミョウバン水をデオドラントの代わりにしている方もいるかもしれませんね。

■ミョウバン水の作り方

ミョウバン水は、ミョウバンを水で希釈しただけの至ってシンプルなものです。しかし、前述のようにその効果は絶大です!しかも料理だけでなく、掃除や身だしなみ、洗濯など用途もさまざま。たくさん作って、そこらじゅうで使っちゃいましょう。では、お家で作れるよう適切な分量や保存方法、保存期限などをお伝えしますね。

・用意するもの

用意するものは以下の3つだけです。水道水はミネラルウォーターと比べ、塩素が含まれているぶん保存期間は長くなります。なので基本的には水道水で問題ありません。ですが、スキンケアとして使う場合にはミネラルウォーターが望ましいでしょう。用途にあわせて選んでみてください。なお、空のペットボトルがない場合、蓋が閉まるものであればほかの容器でも問題ありませんよ。

・ミョウバン水の作り方

ここでご紹介するのは、ミョウバン水の原液の作り方です。使うときには原液をさらに10倍の水で希釈しましょうね。希釈したミョウバン水はスプレーボトルに入れると手軽に使えますよ。では、作り方を確認していきましょう。作り方(原液):
  1. 空のペットボトルに水道水500ccと焼ミョウバン15gを入れて混ぜる
  2. 白く濁るので、透明になるまで1〜2日放置する
  3. 透明になったらミョウバン水の完成
残念ながらミョウバンはすぐには溶けません。そのため最初は白く濁っている状態です。だんだん無色透明になっていくので気長に待ちましょう。

・ミョウバン水の保管方法

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ミョウバン水は冷蔵庫に入れておきましょう。ただし、誤って飲まないように十分注意しましょうね。たとえ自分はわかっていたとしても、家族が飲んでしまう可能性があります。お子さんがいらっしゃる家庭は特に要注意ですね。お子さんの手の届かない高い位置に置いたり、「ミョウバン水」「お掃除用」などラベルを貼ったり、マジックで書いたりして、誤飲を防ぎましょう。

・ミョウバン水の保存期限

保存期間としては、冷蔵庫で1ヶ月ほどです。保存期限が長いため、焦って使う必要はなさそうですね。とはいえ、いつ作ったか忘れてしまうと知らず知らずに保存期限を過ぎてしまう可能性も考えられます。作った日付を容器に記しておくと、うっかり忘れる心配はグッと減るでしょう。保存期限をしっかり守るようにしましょうね。ちなみにミョウバン水の魅力はその用途の豊富さ。使い勝手がとてもよいので、気にいったら欠かさず常備しておきましょう。

■ミョウバン水の使い方1.身体に使う

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ここからミョウバン水の使い方をご紹介していきます。まずご紹介するのは身体に使う方法です。ただし、人によって合う合わないがあるため、身体の場合には必ずパッチテストをしてからに使うようにしてください。

・足の臭いを取る

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友人宅にお邪魔して靴を脱いだとき、自分の足の臭いが臭すぎて恥ずかしかった経験はありませんか?その足の臭いは、雑菌によるものです。ミョウバン水の殺菌効果を利用して足の臭いを取りましょう。使い方は出かける前にサッと足にかけるだけ。とても簡単ですね。これで臭いを気にすることなく、靴を脱げるようになりるでしょう。

・水虫対策

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ミョウバンは水虫対策にも効果が期待できます。先ほどと同様にかけるだけでも効果は望めますが、定期的な足浴をするとさらに効果を高めることができます。方法は薄めたミョウバン水に10分ほど足を浸しておくだけです。臭い対策にもなるので一石二鳥ですね。

・脇の下や頭皮の臭いを取る

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臭いが気になるのは足だけではないかもしれません。脇の下や頭皮も足と同じくらい臭いが気になるところです。特に頭皮の臭いは、脂っぽくとても不快な臭いがしますよね。汗をかいたらミョウバン水を使ってみましょう。汗を拭き取ってからミョウバン水でスプレーするだけです。市販のデオドラントと違って、頭皮にもスプレーできるのは嬉しいところです。

・あせもやニキビ対策

汗をかくとあせもやニキビなどの肌トラブルに襲われがち。ミョウバン水は肌トラブルにも効果が期待できます。肌をきれいなまま保てると、外に出るときも晴れやかな気分で入れますよね。

・アトピーやオムツかぶれ

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肌トラブルというと、ママたちを悩ませるのが赤ちゃんのオムツかぶれではないでしょうか。真っ赤になったおしりはなんとも切ないものがあります。こんなときもミョウバン水に頼っちゃいましょう。ミョウバンの期待効果から考えると、アトピーに効果的という説もあるようなので、かかりつけの医師に相談のもと、試してみる価値がありそうです。

・基礎化粧品の代わりにする

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肌トラブルになったときだけでなく、日常のお肌のケアにもミョウバン水の効果は望めます。お肌を引き締めてくれる収れん作用に期待すれば、毛穴の気になるお肌もすっきりさせてくれるかもしれません。市販の基礎化粧品とは異なり、自宅で簡単に作れて安価であることも取り入れてみたいポイントです。

■ミョウバン水の使い方2.洗濯に使う

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ミョウバン水は衣類の臭いにも効果が期待できます。洗濯のときに上手に使えば、臭い対策になるのです。具体的にどんなところに使えるのでしょうか。

・靴下の臭い対策

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1日履いた靴下の臭いは強烈…。しかも、洗ってもなかなか臭いが取れないことも多々ありますよね。そんなときにもミョウバンです。染み付いた臭いを取るには「つけおき」が効果的です。ミョウバン水に浸してから脱水して干せば、取れなかった臭いがスッキリしていることでしょう。

・シャツや枕カバーの臭い対策

シャツや枕カバーの臭いにも、ミョウバン水は活躍してくれます。シャツや枕カバーは使う頻度が高いので汚れも臭いもつきやすいですよね。また、汚れが肌トラブルに繋がる可能性もあるので、常に清潔にしておくことが大切です。ミョウバンを使って清潔状態を保ちましょう。

・生乾きの防止

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屋外に干せない曇りや雨の日は、屋内で洗濯物を干さざるを得ません。しかし、屋内干しでは生乾き臭が…という経験はありませんか?ミョウバン水を入れて洗濯すれば生乾き臭の防止ができます。柔軟剤の使い方と同じように、後半に入れるのがポイントです。ただ、後半だと忘れてしまうかもしれません。でも、もし仮に洗濯をしたあとでもミョウバン水は使用できます。脱水された洗濯物にミョウバン水をスプレーすればいいのです。そのまま干せば生乾き臭を抑えてくれます。これなら屋内でも臭いの心配をする必要がありません。梅雨の時期にも大活躍してくれそうですね!

・スニーカーの臭いを取る

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スニーカーの臭いを取るのにもミョウバン水は使えちゃいます。脱いだらミョウバン水をスプレーをしておくだけ。翌朝には臭いがだいぶ改善されているでしょう。スニーカーは洗うのも手間ですし、そもそも洗濯できないスニーカーも多いのが現状です。こうやって手軽にできる方法は重宝すること間違いなしです。

■ミョウバン水の使い方3.掃除に使う

最後にご紹介するミョウバン水の使い道はお掃除です。ミョウバン水の殺菌・消臭効果がとても力を発揮してくれそうです。どんなところに使えるのかみていきましょう。

・トイレ掃除

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「掃除したのに臭いが取れてない…」トイレはなかなか臭いが消えにくい場所ですよね。尿は便器だけでなく床や壁にも飛び散るため、掃除も大変です。ちなみにこの臭いの多くは尿に含まれるアンモニアであることはご存知でしょうか?ミョウバン水は、アンモニアに対して特に強い消臭効果が期待できましたね!臭いが取れない箇所にミョウバン水を吹きかけ、少し時間をおいてから拭き取りましょう。不思議と臭いが改善されていますよ。

・浴室のカビ防止・鏡のくもり取り

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湿気が多く風通しの悪い浴室は、カビがすぐに発生してしまいます。ミョウバン水はカビを倒すだけでなく、カビ防止にも使えます。そのためお掃除に取り入れれば、綺麗な状態を長持ちできます。タイルの継ぎ目など細かい部分は、歯ブラシにミョウバン水をつけてこするのがおすすめです。また、鏡のくもり取りにもミョウバン水は使えます。ミョウバン水の原液をつけてブラシでこすってみてください。それでも取れない汚れは、そのまま放置してから流すと取れます。ピカピカの鏡になると、なんだか自分も若返ったよう…!鏡を見るのが楽しくなりますね。

・生ごみやごみ箱の臭いを取る

気をつけていても臭くなってしまう生ごみやごみ箱。生ごみやごみ箱の臭いもミョウバンで取っちゃいましょう。生ごみに直接かけておくだけで臭いの改善が期待できます。ただし、ごみ箱に直接はやめましょうね。なぜならごみ箱内の湿気が高まって、かえって菌が増えて臭くなることもあるからです。ごみ箱に使うときは必ず空の状態でミョウバン水をつけて、しっかり拭き取った状態で使うようにしましょう。

・鍋の焦げ付きを取る

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まず、焦げ全体になじむようにミョウバン水を入れます。次に鍋を火にかけ泡立ってきたら火を止めて冷ましましょう。こうすることで焦げがパリパリになって簡単に取れます。ただし、ミョウバン水は酸性で、金属を腐食する可能性があるため、鉄製のフライパンなどは避けた方がよいでしょう。

■万能のミョウバン水をいつでも手元に

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一般的には料理の添加物として知られているミョウバンですが、掃除や洗濯、汗対策など多岐にわたり、生活のいたる面でその力を発揮してくれます。 この記事を読んでこの万能さに驚いた方も多いはず!お財布にも優しく、誰でも手軽に作れるのも素晴らしいですよね。ミョウバン水1本あるだけで何役もこなしてくれるので、間違いなく役に立ちます。いつでも手元においておき、サッと使えるようにしておくとよいでしょう。《参考》・大明化学工業株式会社「アンモニウムミョウバン」・品川弘子「「しば漬」の色とアントシアニン色素」