07

Feb

Wi-Fi 6Eで飛躍的に増えるチャネル、その運用にはさらなる議論が必要?

圧倒的に増えるチャネル数がWi-Fi 6Eのメリット

そのWi-Fi 6Eのメリットとして挙げられているのは、圧倒的に増えるチャネル数と、これにより以前よりも高速につながる「場合が増える」ことにあるとする。特に以前のWi-Fi 6では160MHzチャネルは仕様上は定められていても、実際にそれを使える機会は非常に稀であった。6GHz帯を使うと、160MHzチャネルを利用できる機会は大幅に増えるだろう。

2.4GHz帯は言うまでもなく、5GHz帯も最近は混雑してきているので、利用周波数帯が増えるのはそれだけでありがたい。6GHz帯は、500MHz幅でも、従来の2.4GHz帯と5GHz帯を合わせたのと同等の帯域になる

Wi-Fi 6Eで飛躍的に増えるチャネル、その運用にはさらなる議論が必要?

これをもう少し細かく説明したのが下の図である。Channel width/number availableの説明は不要だろう。IEEE 802.11axで新機能として追加されたのが「AP discovery」で、Section 26.17.2.4に追加されることになっている(まだIEEE 802.11ax-2021がGet 802 Programの対象になっていない関係で、筆者も仕様そのものは確認できていない)。

5GHz帯のチャネル数が()付なのは、国によって5GHz帯が制限されている場合があるから(日本も以前は()内の状態だった)

もっとも、Wi-Fi Allianceの側もこのAP Discoveryまわりに関してはIEEE 802.11axの標準化完了を待てなかったようで、実害はないだろうがDraft 5.0をベースに議論されていたりする。

そのAP Discoveryであるが、従来はIn-Band、つまり自分が利用する周波数帯(2.4GHz/5GHz)のみのDiscoveryしかできなかった。これがややこしくなるのは、アクセスポイント(AP)の側で2.4GHz帯と5GHz帯でしばしば異なるBSSが設定されており、さらに5GHz帯のうちでもLow Band(W52・W53)とHigh Band(W56)で別々のBSSになっているケースすらあったことだ。

となると、クライアントでAP Discoveryを行う場合、2.4GHzと5GHz×2を別々に探索する必要があった。これがIn-Band AP Discoveryである。そして6GHz帯に関しては、AP Discoveryを行う場合に6GHz帯に加えて2.4GHz/5GHz帯もBSS検索を同時に行うことで、結果的に目的のBSSを迅速に見つけられるようになった。これがOut-of-Band AP Discoveryであり、要するに6GHz帯以外(Out-of-band)も同時に検索する、というわけだ。