10

Nov

日産ノート オーラG FOURレザーエディション(4WD)【試乗記】 真正面から考えよう

ざっくりとした言い方を許してもらえば、オーラはノートのワイドボディー仕様である。全幅はノート比+40mmの1735mmで3ナンバー仕様となるが、それは専用ボディーパネルによるものでホイールベースなどの基本ディメンションに差はなく、室内空間にも違いはない。ホイールはオーラ専用デザインの17インチにサイズアップされており、5本スポークデザインの樹脂カバー付きアルミホイールを見て、おや、もしかして? と思ったがやはり4本スタッドに変わりはなかった。「G FOURレザーエディション」は、その名の通りリアアクスルにもモーターを搭載する電動4WDモデルで、レザーシートが標準装備されるオーラの最上級グレードとなる。

日産ノート オーラG FOURレザーエディション(4WD)【試乗記】 真正面から考えよう

インストゥルメントパネルは12.3インチに大型化されたメーターディスプレイ(ノートは7インチ)を除けばノート同様。いっぽうでインテリアの仕立ては上質感の演出に努力していることが見て取れる。ウッド調パネルは、木目の手触りを再現したいわゆるオープンポア風で、ざっくりしたツイード調のファブリックのインテリアトリムとともになかなか良い印象だが、助手席側のセンターコンソール部分はファブリックトリムが省かれているところなど、絞るところはきっちり絞るという姿勢もうかがえる。

BOSEと共同開発したという「パーソナルプラスサウンドシステム」もオーラのトピックのひとつだ。前席ヘッドレストに2個のスピーカーを内蔵し、センタースクリーンで計8個のスピーカーからの音響バランスを調整できるというものだが、ヘッドレストスピーカーを強調するように設定するとまるでヘッドホンをつけているような感じで、特に効果的とは思えなかった。これも盛大なロードノイズを覆い隠そうとする狙いだろうかと勘繰ってしまうほど、まさしくギミックというものではないだろうか。しかもこのサウンドシステムは個別に選択できないパッケージオプションのアイテムだ。ADAS系安全装備からオーディオまでをひとからげにしてひと声40万円余りというのは、あまりにもざっくりとした設定である。G FOURレザーエディションの車両価格は約300万円(ノートの4WDモデル「X FOUR」と比べるとおよそ50万円高)、となると実際の乗り出し価格は400万円台になろう。人に聞かれると口が重くなるレベルである。

専用ボディーパネルによってボディーは「ノート」よりも40mm幅広くなっている。タイヤは径が16インチから17インチに、幅が185から205に拡大。
拡大
ウッド調パネルやツイード調ファブリックで上質感向上を図ったインテリア。どちらもアクセントではなく、センターコンソールやダッシュボードなどにふんだんに使われている。
拡大
ウッド調パネルが貼られたセンターコンソールはフローティング構造。ブリッジの助手席側ではファブリックが省かれている。
拡大
「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」はUSBソケットやスマートフォンのワイヤレス充電器、カーナビゲーション、運転支援システム「プロパイロット」などと組み合わせたオプションとなっている。
拡大
フロントのサイドウィンドウにはアコースティックガラスを採用。薄いガラスを2枚貼り合わせてある。
拡大