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ゴルフバッグじゃピンとこない! リットルだけじゃわからない! いまどきのクルマの荷室の広さは何で表現するのが正解?

この記事をまとめると■かつて自動車メーカーはよくゴルフバッグが積める個数でクルマの荷室の広さを表現した

ゴルフバッグじゃピンとこない! リットルだけじゃわからない! いまどきのクルマの荷室の広さは何で表現するのが正解?

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■しかし今、ゴルフに馴染みのない人も少なくない■今回は荷室の広さはどのような表現をするとわかりやすいか考えてみたゴルフバッグに馴染みのない人も少なくないかつては、クルマのラゲッジルームの使い勝手の紹介で、自動車メーカーは「ゴルフバッグが何個積めます」という表現を好んでいた。初代ホンダNSXも、スーパースポーツカーにしてラゲッジルームにゴルフバッグが積めることを自慢していたのを思い出す(なので、後ろが不自然に長くなった!?)。しかし、今の若者はゴルフになじみのない人も多く(筆者もゴルフはしない)、ゴルフバッグがいくつ積めるかと言われても、そもそもゴルフバッグの実物を見たことも持ったこともなければ、ピンとこないではないか。また、段ボールがいくつ積めるかという測定方法も、自動車雑誌などでのテストではよくある話だが、引っ越しする場面でなければ、これまた日常使いの目安にはなりにくい。ちなみに、ゴルフバッグが積めて当然と思えるミッドサイズSUVでも、旧型は真横に積めたものが、新型では斜めにしか積めない、なんてこともある。ゴルフバッグ同様、クルマに比較的積み込む機会の多いベビーカーやドッグカートにしても、真横に積めないと積載効率はガクンと落ちる。というのは、たとえばベビーカーが斜めにしか積めないとすれば、その上に重い荷物など置くことはできないため、それ以上、大きく重い荷物は積めないことになってしまうのだ。では、どんな説明をすれば、ラゲッジルームの広さが把握しやすいだろうか。筆者の場合、試乗したすべてのクルマの車内、ラゲッジルームを数十カ所に及び、計測するのが常だが、例えば、超人気コンパクトSUVのトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーなら開口部地上高700mm、幅1000mm、奥行き755mm、後席格納時の奥行き1330mm、天井高865mm(最小天井高740mm)という具合で、容量は369リットルだ。ライズ、ロッキーであればさらに床下に80リットルものサブトランクがある。と言われても、単体で説明されても、やはりピンとこないのではないか。筆者がこうしたデータを積極的に活用するのは、他車との比較において有効だからだ。一例としては、ライズ、ロッキーと同クラスのVW T-CROSSとのラゲッジルームの寸法比較では、T-CROSSが開口部地上高715mm、幅1000mm、奥行き770mm、後席格納時の奥行き12800mm、天井高700mmだから、どっちが重い荷物を出し入れしやすいか(開口部地上高による)、大容量かがわかりやすいというわけだ。が、繰り返すけれど、単体で数字を並べられても、やはりピンときにくいのも事実(今乗っているクルマを計って比較すればいいのだが)。そこで、もっと現実的でわかりやすい、ラゲッジルームの荷物の積載可能表現について考えてみた。キャンプ用品が一式積めます……は微妙だろう。人それぞれ、キャンプ用品の数も大きさも、人数、規模、泊数によって異なるからだ。キャリーケースならフル乗車で旅行に行けるかがわかる!●機内持ち込みサイズのキャリーケースがいつく積めるかならば、多くの人が持っているであろう、機内持ち込みサイズのキャリーケースがいくつ入るか? はどうだろう。こらなら、実際にフル乗車でのドライブ旅行や飛行機を使った旅行で空港に行けるか否かが分かる。かなり現実的なラゲッジルーム容量の表現に適していると思える。たとえばつい最近、日産ノートとオーラでドライブ旅行に出かけたのだが、国際性機内持ち込みサイズ(3辺の合計が115cm以下)のキャリーケース(私物は高さ54×幅36×奥行き23cm)を2個なら縦積みすることで、そのほかの荷物といっしょに余裕で積み込めることがわかった。●ベビーカーやドッグカートが真横に積めるかベビーカーやドッグカートを真横に積める積載性については、ラゲッジルームの幅1000mm以上がひとつのめやすになる(アイテムの高さ/全長によって異なる)。ベビーカーやドッグカートが真横に積載可……という表現はかなり現実的で分かりやすいのではないだろうか。すでに説明したように、斜めにしか積めないと積載効率が大きく落ちるので、ベビーカーやドッグカートの積載可否のデータがなく、子育て世代でベビーカーをクルマに積む前提、ドッグカートを積んで愛犬とドライブする予定であれば、クルマの購入前に自身のベビーカー、ドッグカートをショールームなどで積み込んでみるのが正解だ。もちろん、家族で旅行に出かける際は、ドッグカートだけでなく、家族の荷物も積まなければならない。ドッグカートとキャリーケースなどが同時に積めるかどうかの表現も必要だろう。●犬が何頭快適に乗れるか&バリケンネルが積めるか愛犬家にお薦めしたいステーションワゴン、SUV、ミニバンのラゲッジルームに愛犬を乗せるのであれば(基本は乗り心地が良くエアコンの風が届きやすく、前席の飼い主とアイコンタクトが可能な後席)、後席が4:2:4分割で、中央部分が倒せ、エアコンの風が届きやすく、飼い主とのアイコンタクト可能なスルー空間ができることが前提だが、この場合は愛犬家向けに、小型犬のみ、中型犬まで、大型犬、多頭OKという表現ができそうだ。もちろん、大型犬がぎゅうぎゅうになんとかお座りしたまま乗れる、では虐待に近い。伏せ、寝そべって寛げる広さ、お座りした状態で頭がつかえない高さも必要だ。犬は同じ犬種でも体格が異なるからいちがいには言えないが、自宅にある愛犬用のベッドの大きさ=床面積が、愛犬が快適にラゲッジルームで過ごせるかどうかのひとつの目安になると思う。また、ペット関係の仕事をしている人や、大型犬の飼い主であれば、国際規格のバリケンネル(航空機でも使用)の大型犬サイズ(外寸奥行き1010mm、幅700mm、高さ750mm)が入り、フックなどによってしっかり固定できるかどうかも、気になるところだろう。そうそう、ラゲッジルームの容量は床上だけではない。トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーのように、床下にも80リットルもの大容量のサブトランクを備えているクルマもあったりする。が、これも80リットルと言われてもなかなかピンとこないのではないか。そこで筆者がめやすとしているのが、例の機内持ち込みサイズのキャリーケースである。これがすっぽり入るか否かなら、80リットルよりはわかりやすいだろう。たとえばスズキ・ソリオも大容量の床下収納を備えているのだが、機内持ち込みサイズのキャリーケースがすっぽり、狙ったように入るのだから、使いやすく、大容量の説明が具体的になるのではないだろうか。床下収納はあるのとないとでは、普段使わないものの収納、外から見えてほしくないものの収納などに便利で、使い勝手が大きく違ってくるのも本当である。もちろん、生活に余裕ある子離れ世代、シニアが夫婦2人でアウトドアやキャンプ、ドライブ旅行に出かけるケースがむしろ多いはずだから、後席を両側、片側(3名乗車が可能)倒したときにどのぐらいのキャンプ用品などの荷物が積めるかの表現も必要だろう。ただし、ヤリスクロスのように、ラゲッジルームのフロアボードの高さを左右で変えられる特別な仕立てのクルマもあるから、自動車メーカーがラゲッジ容量、荷物の積載性を細かく具体的に説明するのが難しいのもまた事実なのである。